わたしの城下町

(1)城下町とは

・城持大名が城郭を中心に、藩の行政所在地として武家居住地(藩主下屋敷、藩校、藩諸施設、藩主菩提寺と墓所<廟所>、各倉庫、武家屋敷)を形成し、その周辺に寺内町、商人等居住地(町屋、蔵)が置かれた街を一般的に言いますが、以下のようにもう 少し広義にも捉えることができます。

 

・無城大名が居住しているお城の替わりに陣屋が中心行政所在地として栄えた街

 

・高岡や八代のように大名領であるが、藩主の隠居地を城郭風或いは陣屋で構えてそれを中心に栄えた街

 

・大名領飛地の知行地を管理する陣屋や代官所を中心に栄えた街

 

・江戸城、大坂城、二条城、駿府城の城代が置かれた行政所在地や甲府城の勤番支配があった幕府直轄の街

 

・高山や日田のような幕府直轄地(天領)の管理施設所在地を中心に栄えた街

 

・廃藩(改易、除封)によって城郭建築が棄却された後も管理施設所在地を中心に栄えた街

 

(2)城下町の構成

・江戸時代になると、行政の中心地である城郭内に武家居住地を設け、それを取り巻くようにして、商業地、寺社地、庶民の居住地が配置されました。   

 

・場合によっては、城郭内(三の丸界隈)にも商業地を配備して、城下全体の活性化に寄与させた場合もあります。

 

・また、寺社特に寺院は、城郭の一部として防御エリアとの認識で、城郭内で防御の手薄な場所に固められて配備された場合も見られる。

 

・商業地では、業種業態毎に集められたり自然発生的に集まり、その業種や業態の名前が付く町が発生しました。現在でも、その町名が残っている所が多いです。

 

(3)現在の城下町

・最も良く歴史的な集落や街並みが存在している地域を「重要伝統的建造物群保存地区」として、文化庁が指定し保存に努めています。2016年6月現在では、全国で約110ケ所の指定があります。城下町では、城下の武家町や商家町が指定されることが多いです。

  

・上記の指定がない城下町でも、古い街並みが残り、そこには武家屋敷、商家、町屋、土蔵が部分的に存在しているところも多く、昔の面影を偲べることができます。

  

・近年では、そのような建造物を中心に、飲食店や土産物店も集められたり、古い町屋などの建物を飲食店やショップに活用されて、街全体を一体化、統一化して観光資源として開発されている所も多くみられます。

  

・一方では、全く面影もなく消え去ってしまっている所もありますが、行政や教育委員会、観光協会などが街の成り立ちを説明すべく石碑や案内板を設けて、過去の歴史的な史跡を解説することに努める行政も増えています。

※大きい城下町として長岡城下や沼津城下など

 

  城下町は、見ておもしろい、歩いておもしろい、探しておもしろい、撮っておもしろい、食べておもしろい所が満載です。最初はお城巡りから始まりましたが、今は時間があれば必ず、城下の隠れた史跡やエピソードまで見て体験して帰ってくるようにしています。そして写真も一杯撮ってきます。それが「わたしの城下町」のスタイルです。

 

  今回のホームページでは、主に城を中心に武士にまつわる諸史跡の写真を紹介してきましたが、城下町を構成する庶民や商人の商家、町屋寺町などは、容量の問題で写真をアップできなくて残念です。今後徐々に、各地城下町の風情をお届け紹介していきたいと思います。